高田「相変わらず寒いですね。
でも今朝梅の花が咲いていたのを見て“春がきた!”と思いました。」
天内さん「まあ寒いは寒いけど、少しずつやわらいできたよね。」
高田「そういえば、今日インターネットでね、
野菜の季語、ってのを調べてみたんですよ。」
天内さん「それは面白いね。季語は昔のままだから
野菜の旬がよくわかるよね。」
高田「ネギとか大根とか白菜とかですね、冬らしい野菜が並んでいたんですよね。
で、その中に蓮根があって、読み方に“はすね”って書いてたんです。
あー、蓮根ってそういえば蓮の根だよなー、なんて思いまして。。」

▲有機栽培の安心蓮根
天内さん「まあ、正しく言うと根ではないけどね。」
高田「あ、野菜ではありがちなやつですね。
根ではなく地下茎ってやつですか?」
天内さん「笑、まあそうですね。蓮根は地下茎が肥大したものですね。
まあでもあまりその辺を厳密に話し始めると
ちょっと難しいんですよね。
実は植物って、葉・茎・根・地下茎などと
単純にパーツを表現できるものではないんですよ。
話が長くなるので、これについてはまたの機会に。」
高田「あ、なんかややこしいというか興味がない部分っぽいので、
話変えましょう(笑)。」
●蓮根を食べるのはマイノリティ?
高田「蓮根って、私が大好きな野菜なんですけれど
あのぶっといのが可憐な蓮の花の下にいるのって
なんか想像しがたいですよね。」
天内さん「そうねー、ほんときれいな花だよね。」

▲蓮の花
高田「一度、茨城県に住んでいたころ、
花が満開の蓮根畑を見たことがあるんですけど、
もう花見をしたくなるぐらいきれいで・・・。
蓮の花っていえばお釈迦様のイメージですね。」
天内さん「お釈迦さまといえばインドですよね。
蓮根の原産国はインドと言われています。
日本に古くから入ってきた野菜のひとつで、中国を経て日本に来たんだね。
ただもともとは食用ではなく、
その美しい花を愛でるために観賞用として伝えられたんです。
今でもほとんどの国では観賞目的で育てられているのがほとんどで
蓮根を食材として扱っているのは、中国と日本ぐらいなんだよね。」

▲食味選定委員会神谷昌孝シェフのレシピ「蓮根コロッケ」
高田「え、こんなに美味しいのに・・・。
でも確かに、中華料理でしか見たことないですね。
タイのマーケットで見たのは蓮のタネだけだったし。」
天内さん「蓮の種は日本でも食べるよ。」
高田「え〜見たことないです。」
天内さん「茨城の土浦市など蓮根の産地にある道の駅なんかに売ってるよ。
まあでもメジャーではないですね。」
高田「でもなんかあんな美味しい蓮根が、
世界レベルでは激レア食材って知ってなんか得した気分になりました。
お茶漬けじゃないけど、日本人でよかったー(笑)。」

▲食味選定委員会中野寿雄シェフの、
蓮根が美味しく食べられるレシピ「豆腐ディップ 野菜スティック」
●蓮根の渋はポリフェノール
高田「蓮根って黒ずまないようにお酢につけるように書いてますよね。
あれってなんでですか?」
天内さん「リンゴやゴボウなども一緒なんですが、
まず蓮根にはポリフェノールが含まれていて
切ったりして断面を壊すと、ポリフェノールと酸化酵素が空気に触れることで反応して
メラニンが生成されます。それが黒ずみ。
そして、お酢やレモンにはその酸化酵素の作用を抑える効果があるんですよ。」
高田「へぇ、ありがとうございます。
なんか夏休みの自由研究に使えそうですね(笑)。
あとなんか“蓮根=漂白されている”ってイメージがあります。
たまに”無漂白”ってわざわざ書いているのも見るし。実際どうなんですか?」
天内さん「昔は表面の渋を重合リン酸塩という漂白剤で
落とすことをしていたみたいだけど、今はやられていないと思います。
表記にかかわらず、蓮根は全て無漂白です。」
高田「え、そうなんですねー。意外でした。」

▲食味選定委員会神谷昌孝シェフのレシピ「蓮根入りいなり寿司」
●蓮根の穴は・・
高田「蓮根の穴って数が決まっているんですか?
っていうかそもそも、あの不思議な穴はなに??」
天内さん「蓮根の穴の数は大体8個から10個ぐらいですね。
インターネットで調べると
9個とか10個とか断言してしまっているページなどがみられますが、
まあ自然のものなので例外は沢山ありますよ。
そしてあの穴は空気穴です。」
高田「空気穴って聞いて、忍者が竹をくわえて
池に沈んでいる映像が浮かびました・・。」
天内さん「そう、実際にそれと一緒(笑)。
蓮根や蓮の茎は水に沈んでいて、空気に触れることがないから
地上の葉や茎にある穴とつながっているその穴を通じて
空気を送っているんですよ。」
高田「忍者・・・。」

▲満開の池の蓮
●縁起ものの蓮根
高田「確か蓮根って縁起ものですよね。
おせち料理に入ってますよね。」
天内さん「まあ、おせち料理はダジャレが詰まったものですけど
蓮根も穴をのぞくと向こうが見えることから
“見通しがきく”っていいますよね。」
高田「ダジャレが詰まったもの、確かに(笑)。
でも他にのぞけるのってないですもんね〜。
天内さんは確か青森県出身ですよね。
東京に住んで長いと思うんですが
故郷の懐かしいおせち料理ってあるんですか?」
天内さん「僕の記憶ではおせちってなかった気がするね。
正月は祝うんだけど、お正月料理ねー、なんだったかな。
・・・赤飯??かな?蓮根はなかったと思います。」
高田「赤飯ですか!?
そっか、もしかして蓮根って寒い青森では栽培されない
南の方の野菜ですか?」
天内さん「南の方ってわけじゃないけれど、青森では寒くて育ちませんね。
北関東あたりが北限だと思います。でも栽培は広い地域で行われています。
古い野菜だから、既に日本の各地に根づいて在来種も派生しているし。」
高田「そうなんですね。」
天内さん「有名な産地は、茨城、佐賀、愛知などですかね〜。
美味しい旬は冬の10月ぐらいから3月ぐらいまで。今がちょうど旬ですね。」
高田「なんかオチがいまいちなんですが、
旬の美味しいうちに、食べだめしておきます。」
天内さん「蓮根は熱をくわえてもビタミンCの残存率が高いから美容効果はあるけど、
主な成分は澱粉で炭水化物扱いだから、食べ過ぎに注意ですよ!
なんか最近まるくなりましたねっ。」
高田「ぎくっ・・。」